Notionへの移行はどう進める?インポートの方法と会社で失敗しない進め方
「ExcelやWordで管理している情報を、Notionに移したい」「移行って、何から手を付ければいいの?」
Notionの導入を検討している企業から、こうした相談をよくいただきます。
結論から言うと、Notionへの移行は「データを移す作業」ではなく「業務の仕組みを移す作業」です。何を移し、何を元のツールに残すかは、目的と今の業務の流れから決めます。ファイルを取り込むだけならインポート機能ですぐにできますが、業務の仕組みごと移す場合は、今のやり方をそのまま移してよいかを見直すところから始まります。
本記事では、Notionにインポートできるものと取り込み方、移行元別の考え方、期間の目安、元のツールに残してよいもの、移行でつまずく原因までを、法人のNotion導入を支援している合同会社Metooの現場の視点で解説します。記事内の機能の情報は、2026年9月時点のNotion公式ヘルプにもとづきます。
なお、合同会社Metooでは、業務と情報の流れを見える化したうえで、移行を含めたNotionの導入・定着を支援しています。
Notion導入・定着支援(Purpose Engine)を見る
Notionを初めて使う方に向けて、基本の使い方を動画でも解説しています。あわせてご覧ください。
合同会社Metoo代表 山田怜司(管理の山田)
Notion認定コンサルタント・Notion公式アンバサダー・JCC認定プロコーチ。バックオフィス業務に16年携わった経験を活かし、法人40社以上(2026年4月時点)にNotion導入・活用のコンサルティングを提供。YouTube登録者は23,000人超(2026年9月時点)。業務効率化やチームマネジメントに強みを持つ。
目次
Notionにインポートできるものと取り込み方

Notionには、他のツールやファイルから情報を取り込む「インポート」機能があります。サイドバーの「設定」→「インポート」、またはページで「/」を入力して取り込みたい形式を検索すると使えます。主な移行元と取り込み方は、次のとおりです。
| 移行元 | 取り込み方 | 取り込んだあとの形 |
|---|---|---|
| Excel・ Googleスプレッドシート | CSVに書き出してから取り込む(Excelは.xlsxをZIPに入れて取り込むこともできる) | データベース(1行が1ページ、列がプロパティ) |
| Word・ Googleドキュメント | Wordは.docxを取り込む。Googleドキュメントは連携して1つずつ取り込む | ページ |
| テキスト・Markdown・ HTML・PDF | ファイルをそのまま取り込む | ページ |
| Evernote・Confluence・ Trello・Asanaなど | 各サービスと連携して取り込む | ページ・データベース |
| OneNote・Airtable | 直接の取り込みには対応していない | - |
取り込めるファイルの大きさは、1ファイルあたり無料プランで5MB、有料プランで50MB(PDFは有料プランで20MB)までです。大量のファイルは、ZIPにまとめて取り込むこともできます。
ツールごとの詳しい移行手順は、NotionとExcel(スプレッドシート)の連携、NotionとEvernoteの違いと移行方法、NotionとOneNoteの違いと移行方法、NotionでPDFをインポートする方法で解説しています。
インポートで引き継がれないもの
インポートは便利ですが、元のツールの機能まで引き継げるわけではありません。特に次の点は、取り込んだあとにNotionで作り直す必要があります。
- CSVの数式・リレーション・ロールアップ(取り込まれないため、Notionで設定し直す)
- CSVの取り込みは行を追加するだけで、既存の行は更新されない(取り込み直すと重複する)
- Wordのコメント・変更履歴・テキストボックス・SmartArt
- Confluenceのページごとの権限
特にExcelやスプレッドシートは、見た目は表でも、中で数式やマクロが動いていることがよくあります。取り込む前に、そのファイルで何が自動で計算・処理されているかを確かめておきましょう。文字化けしたときは、CSVをUTF-8で書き出し直すと解消することがあります。
参考:Notionにデータをインポートする(Notion公式ヘルプ)、Confluenceからのインポート(Notion公式ヘルプ)
移行の前に決めること:何を移すかより、何を実現するか

移行を考えるとき、最初に「何から移すか」を決めたくなりますが、Metooでは移行ありきでは考えません。ただデータを移すだけで終わる移行はほとんどないからです。
移す順番は、会社として何を実現したいか、そのためにどの業務の流れを変えるか、その中で何を優先するかによって決まります。例えば「経営層が案件の状況をすぐに把握できる状態を作りたい」なら、案件管理から移すのが近道ですし、「問い合わせ対応の手間を減らしたい」なら、社内のマニュアルやよくある質問から移すほうが効果が出ます。
つまり、移行の順番に一つの正解はありません。先に「どんな状態を目指すか」と「今の業務がどうなっているか」をはっきりさせ、その差を埋めるために必要なものから移していく。この順番で考えると、移しただけで使われない情報を減らせます。目的の決め方や現状の把握の進め方は、Notionの企業導入が難しいのはなぜ?で詳しく解説しています。
移行元別の考え方:シート・ドキュメント・ドライブ・紙

Metooの支援先で多い移行元と、それぞれの考え方は次のとおりです。移行元として圧倒的に多いのは、ExcelやWord、スプレッドシート、Googleドキュメントといったシート系・ドキュメント系のツールです。
| 移行元 | Metooでの考え方 |
|---|---|
| シート系 (Excel・スプレッドシート) | データだけでなく、そのシートで回している業務(顧客や案件の進み具合の管理など)ごと、Notionのデータベースとして作り直す |
| ドキュメント系 (Word・Googleドキュメント) | 手順書・規程・議事録などはページとして移しやすい。印刷する頻度が高い文書は、元のツールに残す選択肢もある |
| ドライブ系 (Googleドライブ・OneDrive・ ファイルサーバー) | すべては移さない。Notionでまとめて管理したい一部だけを移し、残したファイルにはNotionからリンクを張ってつなぐ |
| 紙 | Notionの前に、何をどのようにデジタル化するかを整理してから移す |
どの移行元でも共通するのは、「全部をNotionに入れること」を目的にしないことです。Notionは、業務を進める・情報を貯める・活用する・共有するを1か所でできる点に強みがあります。その強みが活きる情報から集め、他のツールが向いているものは、つないで使い分けましょう。
移行にかかる期間の目安

移行にかかる期間は、会社の規模よりも「何を移すか」で大きく変わります。
| 移すもの | 期間の目安 | 理由 |
|---|---|---|
| データやファイルを移すだけ | 1週間程度 | インポート機能で取り込み、整えるだけで済む |
| 業務の仕組みごと移す (例:スプレッドシートの 顧客・案件管理) | 数か月 | 今の仕組みをそのまま移してよいかを見直し、業務の流れから整えるため |
| 会社全体の情報の基盤 として導入する | 3〜12か月 (6か月が中心) | 目的の設定と現状の把握から始め、全員が慣れて運用が定着するまで続くため |
データを移す作業そのものは短くても、「スプレッドシートで顧客データと案件の進み具合を管理している」といった仕組みを移すなら、ヒアリングを通じて業務の流れを整えるところから始まります。その整理の深さによって、期間は大きく変わります。
移行の計画を立てるときは、「いつまでに移すか」だけでなく、「移したあと、全員が新しいやり方に慣れるまで」を期間に含めておくと、無理のない計画になります。
Notionに移さず、元のツールに残してよいもの

すべての情報をNotionに移す必要はありません。Metooでは、次のようなものは元のツールに残すことがあります。
| 元のツールに残すもの | 理由 |
|---|---|
| 重い動画などの大きなファイル | 容量の上限があるため。ファイル管理サービスに置き、Notionにはリンクを置く |
| VBA・GASなどの仕組みが 組み込まれたファイル | Notionに移すと仕組みが失われ、業務への影響が大きい |
| 印刷する頻度が高い文書 | Notionは印刷が得意ではない(デスクトップアプリからは直接印刷できず、PDFに書き出してから印刷する) |
| 見る頻度が低く、 一元化するメリットが薄い情報 | 残したままでも影響が小さい。AIに読ませる必要が低いものも同じ |
実際には、「残したほうがいい」というより「残したままでも問題ない」と判断することが多くあります。移行にかけられる予算や時間も限られるため、一元化するメリットが大きいものから優先して移しましょう。
残したファイルは、Notionからつないでおくと探しやすくなります。Googleドライブのファイルは「/drive」で埋め込め、DropboxやOneDrive、Boxのファイルはリンクを貼るとプレビューが表示されます。ビジネスプラン以上では、JiraやGitHub、Asanaなどのデータを同期するデータベースも使えます。容量の考え方はNotionの容量は気にした方がいい?で解説しています。
参考:他のアプリの埋め込みと連携(Notion公式ヘルプ)、同期データベース(Notion公式ヘルプ)、コンテンツをエクスポートする(Notion公式ヘルプ)
移行でつまずく原因と、並行期間の置き方

移行でつまずく原因としてよくあるのが、「見えていなかった使われ方」が後から出てくることです。「実はこのシートのデータを使って、別の部署でこんな業務をしていました」ということが、移行したあとに分かるケースは少なくありません。
だからこそ、移行の前に現状をしっかり把握し、どの情報を誰が何に使っているかを洗い出すことが大切です。自分の部署の使い方だけでなく、他の部署や、そのデータをもとに判断している管理職・経営層の使い方まで確かめます。
それでも、後から使われ方が見つかることはあります。そのため、移したらすぐに元のツールを止めるのではなく、並行期間を設けます。特に顧客や商品の一覧のような、他の業務の元になるデータを移すときは、しっかりと並行期間を取ることが重要です。
- 現状を洗い出し、どの情報を誰が何に使っているかを整理する
- 新しいNotionの側をメインにして、元のツールも一定期間残す
- 並行期間中に見つかった使われ方を、Notionの設計やデータに反映する
- 使われ方が出そろったことを確認してから、元のツールを止める
並行期間中は、「どちらが正か」を決めておかないと二重管理になります。更新はNotionで行い、元のツールは見るだけにするなど、ルールを決めて運用しましょう。
支援事例:Salesforceから段階的に移行したシナジー社

Metooが支援した株式会社シナジーは、Salesforceの運用コストと使い勝手に悩み、独学でNotionを使い始めていた会社です。支援では、まず「Salesforceにかかっていた費用を削減する」という目に見える成果を目標に、データの移行から始めました。
移すべきデータと移さないほうがいいデータを選別しながら、人材派遣のデータベースから移し、その後プロジェクト・タスク管理、営業管理、Notion AIの活用へと段階的に広げています。一度に全部を移すのではなく、効果が見えやすいところから始めて、使いながら範囲を広げたことで、単なるツールの乗り換えで終わらず、会議の内容が資産として貯まる形にまでつながりました。Salesforceのアカウントは必要最低限だけを残してほぼ削減でき、推進役の小濱様を中心に、生産性は2倍に上がっています。
詳しい経緯は、【Salesforceからの脱却】「話していることが資産」と気づいて労働生産性が2倍になったNotionコンサル事例でご覧いただけます。ほかの会社の導入事例は、Notionを活用した企業の導入事例にまとめています。
Notionへの移行に関するよくある質問
Q. Excelの数式やマクロは、Notionに移せますか?
そのままは移せません。CSVで取り込むと、数式・リレーション・ロールアップは引き継がれないため、Notionで設定し直します。VBAのマクロはNotionでは動かないため、その処理が業務に欠かせない場合は、元のファイルに残すか、処理の方法から見直します。
Q. Googleスプレッドシートは直接取り込めますか?
直接は取り込めません。スプレッドシートをCSVで書き出してから、Notionにインポートします。取り込むとデータベースになり、1行が1ページ、各列がプロパティになります(2026年9月時点)。
Q. OneNoteやEvernoteから移行するには?
Evernoteは、Notionのインポート機能で取り込めます。OneNoteは直接の取り込みに対応していないため、別の方法で移します。それぞれの手順は、Evernote・OneNoteとの比較記事で解説しています。
Q. 一度に全部移したほうが早いですか?
おすすめしません。全部を一度に移すと、使われ方の確認が追いつかず、移しただけで使われない情報が増えがちです。目的に近く、効果が見えやすい業務から段階的に移すほうが、結果的に早く定着します。
Q. 移行は自社だけでもできますか?
データやファイルを移すだけなら、インポート機能を使って自社でも進められます。業務の仕組みごと移す場合は、今の業務の流れの見直しや、部署をまたいだ使われ方の洗い出しが必要になります。社内だけで進めるのが難しい場合や、移行後の生産性まで高めたい場合は、外部の支援を使うのも一つの方法です。
Notionへの移行でお悩みなら「合同会社Metoo」にご相談ください

- Notionへの移行は、データではなく業務の仕組みを移す作業。何を移すかは目的と今の業務から決める
- インポートで取り込めるのはファイルや他サービスの情報。数式・リレーション・マクロなどは作り直しが必要
- 期間は規模より「何を移すか」で変わる。データだけなら1週間程度、仕組みごとなら数か月
- 重いファイル・VBAなどが組み込まれたファイル・印刷の多い文書は、元のツールに残してつなぐ選択肢もある
- 見えていなかった使われ方に備え、並行期間を設けてから元のツールを止める
移行で大切なのは、「全部を移すこと」ではなく「目指す状態に必要なものを移すこと」です。この考え方はNotionに限らず、どのツールに乗り換えるときにも使えます。
合同会社Metooでは、目的の設定と現状の把握から、移行の範囲や順番の設計、定着までを伴走して支援しています。移行の進め方にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。






