Notionの企業導入が難しいのはなぜ?うまくいかない会社の共通点と進め方
Notionを会社に導入したい担当者の方から、次のような相談をよくいただきます。
「Notionを会社に入れたいが、社内がなかなか動かない」
「使い始めたものの、一部の人しか使っていない」
結論から言うと、Notionの企業導入が難しくなる一番の理由は、ツールの機能ではなく進め方にあります。特に、担当者だけで進めて経営層が必要性に納得していないケースは、ほとんどうまくいきません。
本記事では、法人のNotion導入・定着を支援している合同会社Metooの現場から、導入が難しい理由、うまくいかない会社の共通点、会社の規模・状況による進め方の違い、そして最初の1か月で何をすべきかを解説します。
なお、合同会社Metooでは、目的の設定と業務・情報の流れの見える化から、運用が定着するまでNotionの導入を伴走支援しています。社内の巻き込み方や進め方にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
Notion導入・定着支援(Purpose Engine)を見る
Notionを初めて使う方に向けて、基本の使い方を動画でも解説しています。あわせてご覧ください。
合同会社Metoo代表 山田怜司(管理の山田)
Notion認定コンサルタント・Notion公式アンバサダー・JCC認定プロコーチ。バックオフィス業務に16年携わった経験を活かし、法人40社以上(2026年4月時点)にNotion導入・活用のコンサルティングを提供。YouTube登録者は23,000人超(2026年9月時点)。業務効率化やチームマネジメントに強みを持つ。
目次
Notionの企業導入が難しい3つの理由

Notionの企業導入が難しいと言われる理由は、大きく3つあります。
- 導入は「新しいツールを足す」ではなく「情報のお引っ越し」だから
- 今までのやり方を変える心理的なハードルが高いから
- メリットを一番感じるのは、担当者より経営層・管理職だから
導入は「新しいツールを足す」ではなく「情報のお引っ越し」だから
ある程度の規模の会社には、すでに情報を管理する仕組みがあります。紙や社内のファイルサーバー、ExcelやWord、Google WorkspaceやMicrosoftのツールなどです。
Notionの導入は、まったく新しいことを始めるというより、こうした既存の仕組みから情報を移し、より活用しやすくするお引っ越しに近いものです。引っ越しには必ず手間と移行コストがかかり、会社の規模が大きいほど、歴史が長いほど、その負担は重くなります。移行の具体的な進め方は、Notionへの移行はどう進める?インポートの方法と会社で失敗しない進め方で解説しています。
今までのやり方を変える心理的なハードルが高いから
移行の手間に加えて、「今のやり方を変えること」そのものへの抵抗もあります。ExcelやWordに慣れている人にとって、Notionは見た目も操作も取っつきにくく、拒否反応が起きやすいツールでもあります。
このハードルを越えるには、それに見合うはっきりしたメリットを示す必要があります。「少し便利になる」「今困っていることが一つ解消する」程度の理由では、社内は動きません。
新しいツールに慣れるまでの間は、どうしても一時的に仕事の手間が増えます。その期間を乗り越えた先に何が得られるのかを、現場の一人ひとりが自分ごととして描けるかどうかが分かれ目です。
メリットを一番感じるのは、担当者より経営層・管理職だから
Notionの価値が最も大きく出るのは、情報が一か所に集まり、組織全体で使えるようになったときです。
- 現場にいちいち確認しなくても、見るべき場所を見れば状況が分かる
- 定期的なレポートをAIで作る仕組みを作れば、規模が大きくなって見えにくくなった部分を把握しやすくなる
- 過去の実績や個人のノウハウを再利用しやすくなり、提案書や企画のたたき台を早く作れる
これらの恩恵を一番強く受けるのは、担当者よりも経営層や管理職です。にもかかわらず導入を担当者だけで進めてしまうと、「誰のための、何のための導入か」が伝わらず、途中で止まってしまいます。
Notionそのものの特徴を知りたい方は、Metooが説明するNotion(はじめての方へ)もあわせてご覧ください。
うまくいかない会社に共通する3つのこと

Metooの支援現場で見てきた、うまくいかない会社の共通点は次の3つです。
担当者が「使いたい」と言っているだけで、経営層が納得していない
いちばん多いのがこのケースです。担当者が便利さを感じていても、経営層が「何のために入れるのか」に納得していなければ、移行の手間や現場の反発を乗り越える力が生まれません。
経営層にとってNotionは「担当者が使いたがっているツールの一つ」に見えてしまい、予算や社内の時間を割く優先度が上がりません。社内の情報が一か所に集まることで経営の判断がどう変わるのか、経営層自身がそのメリットを描けていることが出発点になります。
導入の目的が局所的な課題の解決にとどまっている
「今困っているこの業務を楽にしたい」という理由だけで始めると、その課題が解決した時点で広がりが止まります。局所的な課題であれば、その用途の専用ツールで十分なことも多く、Notionを選ぶ必然性が弱くなります。
Notionの強みは、業務を進めることと情報を貯めること、貯まった情報を活用・共有することを一か所でつなげられる点にあります。この強みが生きるのは、一つの業務ではなく、部署をまたいだ情報の流れを変えるときです。目的の置き方しだいで、同じツールでも得られる効果は大きく変わります。
担当者の熱量だけで進めていて、定着までを支える体制がない
ツールの定着は短期間では終わりません。これまでのやり方から移り、全員が慣れ、試行錯誤しながら運用を固めていくには長い時間がかかります。担当者一人の熱量では息切れするため、トップが方針を示し、手綱を握り続けることが欠かせません。
うまくいく会社との違いをまとめると、次のようになります。
| うまくいかない会社 | うまくいく会社 | |
|---|---|---|
| 誰が進めるか | 担当者が一人で進める | トップが方針を示し、担当者と一緒に進める |
| 目的 | 目の前の業務を楽にする | 会社として目指す状態を実現する |
| 現状の把握 | 自分の見える範囲だけ | 部署をまたいだ業務と情報の流れまで |
| 進め方 | 一度に全部移す、または一部で止まる | 優先順位を決めて、使いながら改善する |
ここで大切なのは、定着しないのは現場の意欲が足りないからではなく、進め方の設計の問題だということです。導入を進めた企業の具体的な変化は、Notionの導入事例をまとめた記事やMetooの導入事例で紹介しています。
会社の規模・状況で変わる進め方

どのように進めるべきかは、会社の規模や状況によって変わります。一つの正解を当てはめるのではなく、自社に近い状況から考えてみてください。
| 会社の状況 | 起きやすいこと | 進め方のポイント |
|---|---|---|
| 10名前後で、 情報の置き場所が まだ決まっていない | 既存の仕組みが少なく、引っ越しの負担は小さい | 経営者自身が目的を決めて使い始める。最初から完璧を目指さず、使いながら整える |
| 30〜100名で、 部署ごとに 業務が分かれている | 会社全体の業務と情報の流れを把握している人がほとんどいない | ツールを作る前に、部署をまたいだ現状把握に時間をかける。部署ごとに推進役を置く |
| 歴史が長く、 紙やExcelの運用が 根付いている | やり方を変えることへの心理的なハードルが最も高い | トップが方針を示し続け、現場にとってのメリットを具体的に示す。優先度の高い業務から順に移す |
規模が大きく、歴史が長い会社ほど、引っ越しの負担と変化への抵抗は大きくなります。だからこそ、会社の状況に合わせて「どこから、どの順番で移すか」を先に決めることが、導入を止めないための鍵になります。
Metooが導入の最初の1か月で必ずやること

Metooが法人のNotion導入を支援するとき、最初に取り組むのは「目的の設定」と「現状の把握」の2つです。会社の状態によってどちらから着手するかは変わります。
目的の設定:経営層から担当者まで同じ「ありたい姿」を描く
まず、「Notionでどんな状態を作りたいか」を、経営層から担当者までが同じように描ける状態を目指します。
「この状態が作れたら、今の業務がこれだけ楽になる」「こんなこともできるようになる」とイメージをふくらませ、「それができたら確かに良い」という共通認識を全員で持つことが重要です。これがないと、長い時間をかけて情報の基盤を作り上げていくことは難しくなります。
目的は「Notionを入れること」ではなく、「会社としてどんな状態を目指すか」で置きます。ツールはその状態を実現する手段の一つです。
現状の把握:業務と情報の流れを見える化する
次に、各自が担当している業務、業務フロー、関係者とのやり取りが今どうなっているかを、会社全体を見渡す視点と、各部署の具体的な業務を見る視点の両方から把握します。
自分の業務は分かっていても、その情報をもとに他部署が何をしているのか、管理者や経営層がどう判断しているのかまで分かっている人は、社内にほとんどいません。だからこそ、ここを見える化します。
見える化してみると、同じ情報を複数の場所に入力していたり、確認や承認の待ちが特定の人に集中していたりと、ツールを入れる前に解消できる詰まりが見つかることも少なくありません。
目的と現状の差分からロードマップを作る
目的と現状が見えたら、次の順で改善の道筋を決めます。
- 目的と現状を照らし合わせ、差分がどこにあるかを洗い出す
- 特に優先順位が高い部分を決める
- ここを変えれば全体の活用が一気に良くなる、というポイントを見つける
- ロードマップに落とし込み、使いながら改善を進める
特に現状については、全員の認識をそろえることが大切です。実際には把握できていないケースが非常に多いため、正確に把握して言葉にしたうえで改善を進めます。
Metooでは、この目的設定から現状把握、ロードマップ作り、運用の定着までを伴走するPurpose Engine(Notion導入・定着支援)を提供しています。
担当者が最初にやるべきこと・やってはいけないこと

やるべきこと:現状を把握し、上位層を巻き込む
最初にやるべきことは、自社の現状をしっかり把握し、上位層をどう巻き込むかを考えることです。「やりましょう」と言うだけでは組織は動かないため、現状を把握したうえで、上位層の目線で目的や「ありたい姿」を語れるように準備しましょう。
あわせて、「このままだとまずい」という危機感も伝えると効果的です。たとえば、情報が分断・属人化したままだと、せっかくの取り組みが共有されず、次に生かせません。「今後AIを活用したい」と考えても、社内の情報が蓄積されていなければ、AIからは一般的な回答しか得られません。自社がこれまでどう取り組んできたかをAIが参照できる状態を作ることが、AIの力を引き出す前提になります。
やってはいけないこと:担当者の見える範囲だけで突っ走る
反対に避けたいのは、担当者が自分の実務や見えている範囲だけで「Notionで改善できるから進めよう」と突っ走ってしまうことです。
それでは局所的な課題解決にしかなりません。Notionに詳しい人には効果が大きく感じられても、ExcelやWordに慣れた人にとっては取っつきにくく、社内に拒否反応が広がることもあります。Notionは、組織の情報をどう活用し、資産にしていくかのためのツールだと捉え、一人で進めずに上位層を巻き込んでいきましょう。
社内だけで進めるのが難しい場合は、外部の支援を使うのも一つの方法です。支援会社の選び方はNotion導入支援会社の選び方をまとめた記事やNotionのコンサル会社の選び方をまとめた記事を参考にしてください。
Notionの企業導入に関するよくある質問
Q. Notionの企業導入には、どれくらいの期間がかかりますか?
会社の規模や移す業務の範囲によって、3〜12か月にわたることが多く、Metooの支援では6か月で進めるケースが最も多くなっています。ツールの設定よりも、全員が慣れて運用が回るまでに時間がかかると考えておきましょう。
Q. 小さな会社でも、経営層を巻き込む必要はありますか?
あります。規模が小さい会社ほど経営者の方針がそのまま社内の動きになるため、経営者が目的に納得しているかどうかが結果を大きく左右します。
Q. まずは担当者一人で試しに使ってみてもいいですか?
Notionに慣れるために一人で試すのは良いことです。ただし、会社として導入する段階では、一人の見える範囲だけで設計を進めず、上位層と目的を共有してから広げましょう。
Q. ExcelやGoogle Workspaceは、すべてやめてNotionに移すべきですか?
すべてを移す必要はありません。Notionは手段の一つです。目的と現状を整理したうえで、Notionに集めたほうが活用しやすい情報から優先して移し、他のツールが向いている用途はそのまま使い分けます。
Q. 外部のコンサルタントに頼むべきかどうか、どう判断すればいいですか?
社内に全体の業務を把握して推進できる人がいて、経営層も方針を示せているなら、社内だけで進めることもできます。ただし、導入後の生産性まで高めるには、Notionの設計スキルと情報管理の知見も必要になります。現状の把握や経営層への説明、定着までの推進を社内だけで担うのが難しい場合はもちろん、導入の成功確率や導入後の生産性をより高めたい場合も、経験のある外部の支援を活用するのが近道です。社内で進められる部分は社内で進め、足りない部分だけを任せるという頼り方もできます。
Notionの企業導入でお悩みなら「合同会社Metoo」にご相談ください

- Notionの企業導入が難しいのは、既存の仕組みからの「お引っ越し」であり、やり方を変える負担が大きいから
- メリットを一番感じるのは経営層・管理職。担当者だけで進めると途中で止まりやすい
- 進め方は会社の規模や状況で変わる。最初の1か月は「目的の設定」と「現状の把握」から
- 担当者は、上位層の目線で目的を語れるように準備し、巻き込むことから始める
Notionの導入がうまくいくかどうかは、ツールの使い方よりも「誰が、何のために進めるか」で決まります。目的を全員で描き、現状を正しく把握し、その差分を順に埋めていく。この進め方はNotionに限らず、どのツールの導入にも通じます。
合同会社Metooでは、Notionの導入・定着を、目的の設定から運用が回るまで伴走して支援しています。社内の巻き込み方や進め方に迷ったら、お気軽にご相談ください。






